子どもの花粉症

子どもの病気

子どもも花粉症になるのかな

子どもが春先になると鼻をくすんくすんしていたり、目をこすったりしているんだけど、もしかして花粉症?

子どもでも花粉症になるのかな?

お母さん自身が花粉症と言う方も多いので、そのつらさはよく分かりますよね。私も20年くらい前から花粉症で、毎年今の時期は鼻がぐずぐず、鼻をかみすぎてまわりはかさかさ、目玉を取り出して洗いたいー、という状態です。

そこで今日は、花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)について書いてみます。

オンラインで見られる『鼻アレルギー診療ガイドライン2020年版準拠アレルギー性鼻炎ガイド2021年版』は分かりやすくておすすめです。

https://allergyportal.jp/documents/bien_guide_2021.pdf

このガイドは、鼻アレルギー診療ガイドライン2020年版のエッセンスを分かりやすく書き直したものです。

アレルギー性鼻炎の種類、頻度

アレルギー性鼻炎の原因には、ダニ、ハウスダストなど通年性(季節に関係ないもの)のものと、季節性(ある季節だけ症状が出るもの)のいわゆる花粉症があります。スギ、ヒノキ、ブタクサなどが有名ですね。

1998年から2019年の20年間で、通年性アレルギー性鼻炎、スギ花粉症ともに患者さんはかなり増えています。年齢別のグラフを見ると、2019年のデータで10-19歳の約50%、5-9歳で約30%、0-4歳でも約3%の有病率であることが分かります。思ったより多いんですね。

『鼻アレルギー診療ガイドライン2020年版準拠アレルギー性鼻炎ガイド2021年版』より

千葉県が毎年、県内のスギ林で花粉を飛ばすスギ雄花を調査して、そのシーズンの花粉の飛散量を予測してくれていました。その調査によると、令和4年春は、例年並みの予想、とのこと。ふむ。

https://www.pref.chiba.lg.jp/lab-nourin/nourin/shuyouseika/documents/r04_sugiobana.pdf

例年、スギ花粉は2月末から4月半ばがピーク。もうすでにピーク時期に入っています。最近気温が高くなってきて、私も鼻がむずむずしはじめました。

ですがここ数年は、外出時につねにマスクをするようになったせいか、花粉症の症状も以前より軽くなった気がします。

症状がしっかり出てしまってからだとお薬の効きも悪くなると言われています。やはり、症状が出る前からの対策が重要なんですね。

診断と治療

子どもの花粉症は、小児科や耳鼻科で診てもらえます。

診断は、症状の問診、血液検査などで行います。ただし、診断=治療しなければならない、ということではなく、診断がついたとしても症状が強くなければ治療の必要はありません。

治療には対症療法と根治療法があります。対症療法は、つらい症状を和らげるための治療で、原因の除去、薬物治療があります。根治療法には免疫療法があります。

対症療法は、マスクやメガネ、帰宅後の手洗い、うがい。今みんながやっている感染対策と同じですね。

それでもつらい症状が改善しない場合は、薬物治療を考えます。内服薬、点鼻薬、点眼薬など、子どもでも使えるお薬があります。

症状がとくに強い場合は、根治療法として舌下免疫療法が適応になる場合もあります。アレルギーの原因物質を少量ずつ長期間(数年間)にわたって投与することで、アレルギー反応を起こしにくくするというものです。

スギ花粉症とダニアレルギーによるアレルギー性鼻炎に対して治療が可能です。

アレルギーの原因物質は舌下錠の内服で行うので、自宅で治療を続けることができます。スギ花粉症に対しての治療は、花粉が飛んでいない時期にスタートする必要があります。

5歳以上に保険適応となっていますが、実際に行っている病院ごとに対象年齢や開始時期などが異なる場合があります。

今は花粉症の治療にもいろいろな選択肢があります。病院で相談してみてください。

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